Autodesk Vaultとは?できることやメリットを分かりやすく解説!
こんにちは。
第2回製造業ブログは、「Autodesk Vaultとは?できることやメリットを分かりやすく解説!」です。
設計業務では、CAD図面や3Dモデル、仕様書、部品表(BOM)など、さまざまなデータを扱います。
しかし、設計データが増えてくると、
「必要なCADデータを探すのに時間がかかる」
「どのデータが最新版なのか分からない」
「過去の設計データを再利用したいが、見つけられない」
「設計変更の履歴を管理したい」
など、データ管理に関する課題が発生することがあります。
こうした設計・製造に関するデータを一元管理し、効率的なデータ運用を支援するPDM(製品データ管理)ソフトウェアが「Autodesk Vault」です。
本記事では、Autodesk Vaultとはどのようなソフトウェアなのか、主な機能や導入するメリット、さらにカスタマイズについて分かりやすく解説します。
是非最後までご覧ください。

| Agenda 1. Autodesk Vaultとは 2. Autodesk Vaultでできること 3. Autodesk Vaultを導入するメリット 4. Autodesk Vaultはカスタマイズできる? 5. まとめ |
1.Autodesk Vaultとは
Autodesk Vault(オートデスク ボルト)は、設計・製造に関わるデータを一元管理するためのPDM(Product Data Management:製品データ管理)ソフトウェアです。
CADデータをはじめ、設計に関連するさまざまなファイルや情報を管理し、設計データの検索、バージョン管理、リビジョン管理などを行うことができます。
また、Autodesk InventorやAutoCADなどのAutodesk製品と連携して利用できることも、Autodesk Vaultの特徴です。
設計者が普段使用しているCAD環境とデータ管理を連携させることで、設計業務とデータ管理を効率化することができます。
では、そもそもPDMとはどのようなものなのでしょうか。
■PDMとは?
PDMとは、「Product Data Management」の略で、日本語では「製品データ管理」と呼ばれます。
製品の設計・開発では、CAD図面や3Dモデル、仕様書、部品表(BOM)など、多くのデータを扱います。
これらのデータを個別のパソコンや共有フォルダなどで管理していると、
・どれが最新版のデータなのか分からない
・同じようなファイルが複数存在する
・必要なデータを探すのに時間がかかる
・過去の設計データを再利用しにくい
・設計変更の履歴を追いにくい
といった問題につながることがあります。
PDMは、このような製品に関するデータを一元的に管理し、設計・製造に関わるメンバーが必要な情報を適切に利用できるようにする仕組みです。
Autodesk Vaultは、このPDMの役割を担うソフトウェアとして、設計データの効率的な管理を支援します。

2.Autodesk Vaultでできること
Autodesk Vaultでは、主に以下のようなことができます。
① CADデータを一元管理
Autodesk Vaultでは、CADデータをはじめとした設計・エンジニアリングデータを一元管理できます。
設計データを一元的に管理することで、個人のパソコンや複数のフォルダにデータが分散することを防ぎ、チーム内でデータを共有しやすくなります。
また、CADデータと関連する資料などをまとめて管理することで、設計に必要な情報を探しやすくすることができます。
② バージョン・リビジョンを管理
設計業務では、一つの図面や3Dモデルを何度も変更することがあります。
Autodesk Vaultでは、ファイルのバージョンやリビジョンなどを管理することができます。
そのため、現在使用しているデータは最新版なのか?、以前の設計データを確認したい、設計変更の履歴を確認したいといった場合にも、データの履歴を追いやすくなります。
設計データを適切に管理することで、誤って古いデータを使用してしまうといったリスクの低減にもつながります。
③ 必要なデータを検索
設計データが増えてくると、「必要なデータを探す」という作業にも多くの時間がかかります。
Autodesk Vaultには検索機能があり、ファイル名だけでなく、プロパティなどの情報を利用して必要なデータを検索することができます。
過去に作成した設計データを検索して再利用することで、一から設計する手間を減らし、設計業務の効率化につなげることができます。
④ BOM(部品表)を管理
Autodesk Vaultでは、製品を構成する部品や数量などの情報を管理することができます。
BOM(Bill of Materials)とは、製品を構成する部品や材料などを一覧にした「部品表」のことです。
CADデータとBOMを関連付けて管理することで、設計データと製品を構成する部品情報を一元的に管理しやすくなります。
設計変更が発生した場合にも、関連するデータを適切に管理することが重要になります。
⑤ 設計データをチームで共有
複数の設計者が同じ製品やプロジェクトに関わる場合、設計データを適切に共有することが重要です。
Autodesk Vaultでは、Vault Server上で設計データを一元管理し、複数のメンバーが共通のデータを利用しながら設計業務を進めることができます。
設計データをチームで適切に管理することで、ファイルの上書きや古いデータの使用など、データ管理に伴うトラブルの低減が期待できます。
⑥ 設計データの変更・承認を管理
設計データは、作成して終わりではなく、確認・変更・承認などの工程を経て製品に利用されることがあります。
Autodesk Vaultでは、データの状態や変更履歴などを管理し、設計データを適切に運用するための仕組みを構築できます。
これにより、設計部門内でのデータ管理ルールを整備しやすくなります。
3.Autodesk Vaultを導入するメリット
Autodesk Vaultを導入する大きなメリットの一つが、チーム全体で設計データを共有・管理し、設計業務を円滑に進められることです。
複数の設計者が同じ製品やプロジェクトに関わる場合、それぞれが個別にCADデータを管理していると、「どのデータが最新なのか分からない」「他の設計者が編集しているデータを知らずに変更してしまう」といった問題が発生することがあります。
Autodesk Vaultでは、設計データを一元的に管理することで、チームメンバーが共通のデータを利用しながら設計業務を進めることができます。
これにより、設計者ごとに異なるデータを使用してしまうことによるバージョンの不整合や、意図しない上書きなどのミスを防ぎやすくなります。
特に、複数の設計者が同じCADデータを扱う環境では、設計データをチーム全体で適切に管理することが重要です。
また、AutoCADやAutodesk InventorなどのAutodesk製品と連携して利用できることも、Autodesk Vaultの大きなメリットです。
普段使用しているCAD環境と設計データの管理を連携させることで、CADで作成した設計データを別の管理システムへ移すといった手間を減らし、設計業務の中でデータ管理を行いやすくなります。
さらに、CADデータと関連する設計情報を連携して管理することで、設計者がデータ管理を意識しながら作業する負担を軽減し、設計業務に集中しやすい環境づくりにもつながります。
このようにAutodesk Vaultは、設計データをチーム全体で適切に共有・管理できる環境を構築するとともに、普段使用しているAutodesk製品と連携することで、設計業務全体の効率化を支援できることが大きなメリットといえるでしょう。

4.Autodesk Vaultはカスタマイズできる?
ここまでAutodesk Vaultの標準的な機能について紹介してきましたが、「自社の業務に合わせてVaultをカスタマイズしたい」という場合もあるのではないでしょうか。
企業によって設計データの管理方法や承認フロー、必要な検索条件、登録する属性情報などは異なります。
そのため、標準機能だけでは自社の業務に合わないケースもあります。
Autodesk VaultにはAPIが用意されており、Vaultのデータや機能を利用したカスタマイズや、外部システムとの連携を検討することができます。
例えば、
・自社の業務に合わせた検索機能の追加
・属性情報の登録・更新の自動化
・設計データの登録作業の効率化
・既存システムとのデータ連携
・自社の運用ルールに合わせた機能開発
など、業務内容に合わせたカスタマイズが考えられます。
「Vaultを導入したものの、標準機能だけでは業務に合わない」
「Vaultで行っている作業を自動化したい」
「Vaultのデータを他のシステムと連携したい」
といった場合には、カスタマイズによって対応できる可能性があります。
Autodesk Vaultを導入するだけでなく、自社の業務フローや運用ルールに合わせて仕組みを構築することで、より効率的なデータ管理を目指すことができます。
5. まとめ
Autodesk Vaultは、CADデータをはじめとした設計・製造に関するデータを一元管理するためのPDMソフトウェアです。
データの一元管理、検索、バージョン・リビジョン管理、BOM管理などの機能を活用することで、設計データを効率的に管理することができます。
また、過去の設計データを検索して再利用することで、設計業務の効率化や設計資産の有効活用にもつながります。
一方で、企業によって設計データの管理方法や業務フローは異なるため、標準機能だけでは対応が難しいケースもあります。
Autodesk VaultにはAPIが用意されているため、自社の業務に合わせたカスタマイズや、他システムとの連携などを検討することも可能です。
弊社では、CAD/BIM/PDMに関する技術支援として、Autodesk Vaultのカスタマイズやデータ管理に関するご相談にも対応しています。
お困りのことがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
それでは、次回のブログでお会いしましょう。

株式会社ブリエの営業女子。前職は金融機関に勤めており、IT業界へ転職。建設業界や製造業界を中心にDXを浸透させるため毎日奮闘中。
